全国検定試験 長大医学部・藏本さん 珠算最高位10段合格 長崎県内10年ぶり、21人目の快挙

珠算10段に合格した藏本さん(右)と指導者の須加﨑さん=長崎市、兵藤珠算会

 長崎大医学部3年の藏本結愛さん(20)が、全国珠算教育連盟主催の検定試験で珠算の最高位、10段合格を果たした。県内では10年ぶり、21人目の快挙。2017年の9段合格から約20回の挑戦で悲願が実り「今回も受からないと思っていたのでうれしい」と喜びを語った。
 藏本さんは近所の友人に誘われ、小学1年で長崎市稲田町の兵藤珠算会に入会した。同会は藏本さんを含め、珠算10段を5人輩出する“名門”。教室に週3回通い、各2時間の練習を続けた。「集中力や忍耐力が身に付いたのは、そろばんのおかげ」。バスを待つ間、車のナンバープレートを見て数を足したり、掛けたりして遊んでいると時間を忘れてしまうという。
 10段に合格するためには300点満点中280点以上を見取り算など6種目全てで取らなければならない。藏本さんは間違った問題を徹底的にやり直して弱点を克服。3月の試験では全国8799人の中で合格した11人の1人となった。
 藏本さんはこれに先立つ昨年7月に暗算10段にも合格。W昇段に教室の子どもたちから羨望(せんぼう)のまなざしを集めている。愛用のそろばんには各段の合格を証すシールがびっしり。指導者の須加﨑和子さん(82)は「小さい頃から、真面目でしっかり者。10段合格を待ち望んでいた」と目を細めた。
 藏本さんは離島などで親しまれる医師を目指して勉強中。「今後は全国大会で入賞を目指す」と抱負を語った。


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