東尋坊で逢瀬、海渡り…港町の熱い1日 福井県坂井市三国町の「雄島祭り」【若越画報】

ずらりと鯉のぼりが並ぶ雄島橋を渡る舟みこし。カメラを構える観客らの熱視線に団長は手を振って応えた=4月20日、福井県坂井市三国町安島

 待ちに待った港町の祭りが4年ぶりに帰ってきた。4月20日行われた福井県坂井市三国町安島の大湊神社の例大祭「雄島祭り」。晴天に恵まれ、東尋坊の舟みこしと海上の乙女みこしが出会う逢瀬(おうせ)や、男衆が舟みこしを担いで約50メートルを泳ぐ海渡りも行われ、“全部盛り”の1日となった。

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 みこし巡行に先立ち行われた安島区青年団による獅子退治寸劇「おかんば」では、迫力ある演技が群衆を湧かせた。中学生~20代の女衆が華やかなもんぺ姿で乙女みこしを担ぐと、聴衆から熱視線が注がれ、子どもみこしも一生懸命に練り歩いた。汗だくでみこしを担いだ男衆がまとった刺し子「モッコ刺し」の法被には、安島の海の民が受け継いだ伝統の技が生かされ、ひときわ目を引いていた。

 夕刻の安島漁港の船着き場は、海を渡る勇姿を見届けようとする観客であふれた。期待に応え堂々と渡り終えた男衆は、寒さに身を震わせながら地元女性ら手づくりの豚汁をすすって暖を取っていた。  

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