青のブレザーに緑のネクタイ。少し高めの声で「おらぁ高校生探偵、工藤新一。よろしくな」と決めポーズを取るのは、人気アニメ「名探偵コナン」のモノマネ動画が注目されるお笑いコンビ「カノッサ」のボケ担当、ウエハース光川さん（24）＝福井県越前市出身＝だ。芸歴4年目の若手ながら、動画投稿アプリ「TikTok（ティックトック）」のフォロワー数は13万人超。お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん（42）＝同県おおい町出身＝の漫才に衝撃を受け、日本一の漫才師を目指す。
小学生のころからお笑い芸人になりたかったという光川さん。友達とコンビを組んで全校児童の前でコントや替え歌などを披露していたという。中学3年の時、漫才師の日本一を決めるテレビ番組「THE MANZAI」にくぎ付けになった。まくし立てるようにしゃべり続け、日本一に輝いたのが村本さんのウーマンラッシュアワー。「面白いし感動した。福井県出身でこんなすごい人がいるんだ。自分も漫才師になりたい」と憧れたという。
大阪の大学に進学し、3年生の時に吉本興業の養成所に入った。コンビを組んで1年後に卒業。大学を休学し、さあこれからという時に相方が芸人を引退、さらにコロナ禍でライブがなくなった。光川さんは「めっちゃ暇になって、動画（投稿）しかやることがなかった」と笑う。
動画投稿ジャンルで人気の「料理系動画」に着目した光川さん。いとこから教えてもらった名探偵コナンのキャラクター工藤新一のモノマネをしながら料理する動画を投稿すると「2、3日で100万回再生とバズった。バイト先の人にも『あの動画って君？』って言われて、めっちゃうれしかった」（光川さん）。
その後もさまざまな料理動画などの投稿を続けた。するとそのおかげで、イオンモールがイベントで名探偵コナンとタイアップした時は北陸や関西の催しで前説を務めることに。コナンが好きなラジオパーソナリティーから声がかかり、北海道のラジオ番組にも出演できたという。
2022年9月、養成所の同期とお笑いコンビ「カノッサ」を結成。吉本興業の劇場は全国各地にあるが、どの芸人でも出演できるわけではない。観客や作家の投票によるオーディションに勝ち抜くことで劇場メンバーになれる。光川さんは「しんどいけどネタが鍛えられるし、結果が出るとうれしい」と話す。
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「いつかは福井で単独ライブをやりたい」と光川さん。「面白い人間が最強だと思っている。他人を笑顔にしたり、楽しくさせることをテクニックで狙ってできるのがかっこいい」と熱っぽく語った。
◇ウエハース光川 1998年、福井県越前市生まれ。武生東高校、大阪経済大学卒。2022年9月に大阪府出身の須崎裕一郎さんとお笑いコンビ「カノッサ」を結成。ボケ担当。
