子どもの「起立性調節障害」に理解を 県教委などが教職員向けに冊子【大分県】

県教委などがまとめた起立性調節障害に対応するための冊子=県庁

 思春期に発症しやすい「起立性調節障害(OD)」を理解してもらおうと、県教委などは教職員向けに対応の仕方をまとめた冊子を作った。症状の早期発見や適切な治療につなげる。

 ODは成長期の10代に多く、具合が悪くて朝起きられずに遅刻や不登校の一因となる。自律神経のバランスが乱れ、血液が脳や体に行き渡らずに頭痛や倦怠(けんたい)感、不眠などに悩まされる。小学生の5%、中学生の10~30%で発症しているとする調査もある。

 冊子はA4判36ページ。発症の可能性を判断するチェックリストのほか、登校時に必要とする配慮や児童生徒との関わり方、保護者との連携の大切さなどを記している。相談先となる医療機関も掲載。

 内容は県医師会や県小児科医会、県教委などでつくる県地域保健協議会の専門部会(10人)が考察した。約600部を作製し、県内の公立小中学校と高校、特別支援学校、医療機関などに配布した。

 県教委体育保健課は「ODを詳しく知らない人も多い。怠けていると誤解されることもある。広く活用してほしい」と話した。

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