大の里「まずは勝ち越し」 稽古公開、黒まわし披露

  ●津幡町出身のアマ横綱 夏場所デビューへ決意

 大相撲夏場所(14日初日・両国国技館)でデビューする2年連続アマチュア横綱の大の里(22)=本名中村泰輝(だいき)、津幡町出身、日体大OB=は3日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で入門後初めて稽古を公開し、幕下以下が着ける黒まわし姿をお披露目した。体に張りがあるため相撲は取らなかったものの精力的に汗を流し、「とにかく4勝以上、まずは勝ち越しを目指して場所に挑む」と語った。

 相撲部屋では珍しい2面の土俵がある稽古場で、大の里は四股やすり足、てっぽうなどの基礎運動で体を動かした。相手に取られた上手を外すための練習を集中的にこなし、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から身ぶり手ぶりを交えて指導を受けた。

 親方の直接指導に大の里は「今までの概念が覆された。普通に(上手を)切るものだと思ってたが、親方の考えは違って発見だらけだった」と手応えをつかんだ様子。稽古場には、しこ名が書かれた木札が掲げられ、うれしそうに感触を確かめる場面もあった。

 幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏み、7戦全勝すれば、所要1場所での新十両昇進が確実となる。春場所の落合(宮城野部屋)に続いて昭和以降2人目の快挙となるが「何も考えていない。最終的にどこにいるかが大事だ」と無心を強調した。

 現役時代に人気を誇った二所ノ関親方は「日本中のみんなが知っているという力士になってほしい」と期待を込めた。

 大の里はアマチュア横綱2連覇など大学時代に13のタイトルを獲得。これまではトーナメントが多く、日に何度も相撲を取っていたが、大相撲は一日一番となるため「だんだん体が温まってくるタイプなので変えないといけない」と課題を口にした。

 これまでに出稽古に訪れた元大関高安とは互角の相撲を取っており、「めちゃくちゃ自信になった。本当にいい経験だった」と振り返った。

 部屋生活では石川の食べ物が恋しくなる瞬間もあるという。中でも「チャンピオンカレー」が好物で「お店で食べるときはめちゃくちゃ福神漬けをのせて食べてます」と笑った。

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