科学の国際大会に挑戦! 長崎北陽台高・大森さん 貝の研究「アピールしたい」

ISEFに出場する大森さん=長崎北陽台高

 長崎県西彼長与町高田郷の県立長崎北陽台高生物部3年の大森春音さん(17)が今月、「高校生のための世界最大の科学コンテスト」といわれる国際大会に挑む。干潟に生息する貝の一種「フトヘナタリ」の大きさが生息環境に左右されることを明らかにし、国内大会で評価され、日本代表の一員に選ばれた。
 研究のタイトルは「フトヘナタリの『表現型可塑性』に関する研究」。同じ生物部3年の浦川大輝さん(18)と共同研究し、昨年の第66回日本学生科学賞で環境大臣賞を獲得。今月14~19日に米国テキサス州ダラスで開催される国際学生科学技術フェア(ISEF)の出場権を得た。
 研究のきっかけは、長崎市の多以良川に生息するフトヘナタリが、長与町の個体に比べ小さかったこと。DNA解析の結果、両者は同種だった。そこで、サイズの違いは遺伝的なものではなく、生息環境の違いによる「表現型可塑性」と考え、各地のフトヘナタリを採取し測定や実験を実施。その結果、浸水時間の長さによってサイズ差が生じることなどを突き止めた。
 ISEFは、世界約70の国や地域から約1800人もの高校生が参加する科学の祭典。発表や審査の他にも、セレモニーや各国の学生と交流する機会もある。
 大森さんは研究成果を縦274センチ、横122センチ内のポスターにまとめ、英語での発表や質疑応答に挑戦する。本番に向け、専門家の指導を受けながら、資料の修正や英語の練習などに取り組んできた。大森さんは「外国の人たちにも私たちの研究結果をアピールしたい。世界の舞台でたくさんのことを学びたい」と抱負を語った。

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