農地維持、ボランティア支援 五ケ瀬のNPO

雑穀の種まきなどを手伝うボランティアら

 高齢化や担い手不足で耕作が難しくなった五ケ瀬町の農地を維持しようと、同町のNPO法人五ケ瀬自然学校は、ボランティアを募って農作業を手伝ってもらうプロジェクトに乗り出している。耕作放棄地の拡大を食い止めるのが狙いで、11日には同町の畑で雑穀の種まきがあった。7月にかけ、焼き畑雑穀栽培などを体験できる七つのイベントを企画しており、参加者を募っている。
 同日は熊本県や延岡市から7人が参加。五ケ瀬町の大石集落にある畑約20アールで「もちきび」や「シコクビエ」などの種まきを手伝った。
 茶の栽培に取り組んでいた両親から3年前に畑を受け継ぎ、雑穀づくりに挑戦中の吉村里恵さん(56)は「畑が広くてすべて手作業のため、一人では大変。とても助かる」と笑顔。熊本市から参加した中野剛さん(69)は「普段はマンションに囲まれて生活している。大自然に触れながら地元の人たちと交流できるのは得がたい体験」とこちらも充実した表情で語る。
 同自然学校の杉田英治理事長は「今後、耕作放棄地はますます増える。外部の力を借りながら、世界農業遺産にも認定された五ケ瀬の農地、景観を守っていきたい」と意欲を見せる。
 イベントなどの詳細、問い合わせは同自然学校(電話)0982(73)6366。

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