県高校総体前特集 バレーボール女子(2) 九州3位となった大分商業が県王者に向けて好調維持 【大分県】

バレーボールの県高校総体が6月3日から始まる。女子は23連覇を目指す東九州龍谷(東龍)が優勝候補の筆頭であることに変わりはない。盤石の王者に立ち向かうのが全九州総合選手権で3位となった大分商業、この1、2年で急速に力を付けた大分西。県高校総体を前に3校の戦力を探る。

第2回は県高校総体に向けて勢いが増している大分商業。

地元開催となった全九州総合選手権(5月13、14日開催)で意地を見せた。予選リーグで出た課題を修正し、決勝トーナメント準々決勝では試合の入り方を意識することで勝利を呼び込んだ。序盤からリードする展開をつくり出したのはサーブだった。大村夏生(2年)が相手の急所をしっかりと突き、レシーブを乱すことで連続得点につなげた。

同準決勝も大村の他に猪原悠莉明(3年)や野中美空(2年)の威力あるジャンピングサーブが決まった。今年のチームは「サーブが走れば、チームの強みである守備力が光り、多彩な攻撃につなぐことができる」と森栄一郎監督。鍛え上げられた自慢のレシーブ力に加え、エース猪原がキレのあるスパイクで得点源となる。コートには猪原と佐藤実紗(3年)の他は2年生が名を連ねることが多いが、プレッシャーに負けず、競うようにポイントを決めることで攻撃の的が絞りづらくなる。

今年もレシーブ力は高い

ただ、若いチームがゆえに試合運びにムラがある。全九州総合選手権では気が緩む時間帯があり、連続ポイントを許す場面が散見した。森監督は「もう少し粘り強く、我慢できるようにならなければいけない」と課題を挙げた。それでも九州の強豪校相手に互角に戦うことで「大分は東龍だけではない」ことを証明し、3位入賞。選手が自信を付けたことは県高校総体に向けて大きな自信となった。

県高校総体では23連覇を目指す東龍が高い壁となる。猪原は「東龍を倒さないと全国の強豪と対戦できない。サーブやスパイクを強化したことで、全九州総合選手権である程度通用した。東龍との実力差は詰まっていると実感できた」と心境を語った。猪原を含め勢いのある2年生にも、長年、県内王者として君臨する東龍への苦手意識はない。「ストップ・ザ・東龍」の一番手として王者に立ちはだかる。

九州でも通用することを証明した大分商業

(柚野真也)

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