県高校総体前特集 バレーボール男子(2) シンクロ攻撃に力強さを加え、再起を図る大分南 【大分県】

バレーボールの県高校総体が6月3日から始まる。男子は直近3年の大会では大分工業と大分南が覇権を争っている。今大会も2強に別府鶴見丘が追う展開となりそうだ。県総体を前に3校の戦力を探る。

第2回は県高校総体で連覇が懸かる大分南。5月にあった全九州総合選手権は予選で敗退し、悔しさをバネに再スタートを切った。

県高校新人大会、全九州総合選手権県予選のどちらも大分工業に敗れた。柿原茂徳監督は「自分たちのリズムで試合を進めることができているのに、中だるみして流れが変わり、そのまま押し切られて負けた」と課題を指摘する。県高校総体に向けて課題を克服するべく臨んだ全九州総合選手権でも、同じような試合運びで予選敗退となった。

「自分たちで崩れ、勝利を逃した」とキャプテンの嵯峨慎人(3年)。予選グループ初戦の城北(熊本県)の試合では、最終セットまでもつれたものの勝ち切ったが、続く西原(沖縄県)戦では第1セットを接戦で落とすと、流れを引き戻すことができずにストレート負け。予選突破を目標にしていただけにショックは大きく、チームメートも同様に現実を受け入れきれずに呆然(ぼうぜん)とする姿があった。柿原監督は「地元開催でぶざまな試合をしてしまった。情けない」と悔しさを隠さず、「ゼロからやり直す」と巻き返しを誓った。

1年生から3年生まで中学時に県選抜チームを経験した選手が名を連ね、コートに立てばそれぞれが持ち味を発揮して、多彩な攻撃を仕掛ける。複数のスパイカーが同時に助走動作をして相手ブロックを惑わせる「シンクロ攻撃」は大分南の武器である。しかし、どこからも得点できる反面、勝負どころの場面で「俺が絶対に決めてやるという強い気持ちを持ったエースがいない」(柿原監督)ことが前述の課題を克服できない理由となっている。

エースポジションを任された水田凰雅(2年)は、「気持ちを切り替えられず、自分たちのプレーができないときがある。(全九州総合選手権は)緊張して思うようなプレーができなかったが、自分が決めるという覚悟を持ってプレーしたい」と強い思いを示した。嵯峨は「3年生がリーダーシップを取り、チームを引っ張らなければいけない」と話し、県総体に向けて精神的支柱となり、チーム一丸となって再起を図る。

(柚野真也)

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