フクロウ、セイタカシギの赤ちゃんすくすく 親鳥は天敵のタヌキやカラス警戒 姫路の山林、レンコン畑

ふわふわの羽毛に包まれたフクロウのひな=姫路市香寺町

 若葉が青々と茂る新緑の季節。兵庫県姫路市内の山林やレンコン畑では、今春もフクロウやセイタカシギの赤ちゃんが誕生し、親鳥に見守られながら愛らしい姿を見せている。

 姫路市香寺町の山林では、里山保護に取り組む住民団体が2年前に巣箱を設置した。高さ約3メートルに置かれた巣箱に、もふもふとした白い羽毛に包まれたフクロウのひな2羽がいる。山にはタヌキなど天敵も多いが、親鳥に見守られながら、すくすくと成長している。

 5月上旬には、環境省の調査に協力し、野鳥に個体識別のための足輪を付ける鳥類標識調査員(バンダー)の村上亮さん(75)が山に入り、ひなにも足輪を付けた。今後は詳しい生態調査に役立てるという。

 生後20日ほどで体重約450グラム。村上さんは「フクロウがいるのは山が豊かな証拠。2羽の巣立ちも間もなくだろう」と話す。

 市南西部の網干区大江島寺前のレンコン畑では、セイタカシギのひなが誕生した。成鳥は脚やくちばしが長く、そのたたずまいから「水辺の貴婦人」とも称される。4年前から毎年、レンコン畑につがいが飛来し、今春も、農家が鳥のために土をかさ上げした畑の中央で営巣している。

 5月中旬には、ひな4羽が無事にかえった。天敵のカラスに親鳥が警戒を強める中、懸命に水中の小さな虫をついばんでいる。観察を続けている同県太子町の男性(80)は「これまでひなが被害に遭うこともあったが、今年は無事に成長していて安心した」と胸をなで下ろした。(森下陽介)

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