カラオケの愛好家らでつくるボランティアグループ「西淡コミュニケーション・ミュージック・クラブ」(西淡CMC)が今年、結成40年を迎える。目の不自由な人らを対象に、市広報誌の朗読や、高齢者施設への慰問を続けてきた。節目となる9月にイベントを計画しており、準備を進めている。(西竹唯太朗)
同グループは、社会でカラオケの人気が高まり始めた1983年、仲間内で楽しもうと結成した。一方で「自分たちのやりたいことばかりをするだけではいけない」と翌年からボランティアに取り組む。
広報誌の朗読は、障害があったり老化が進んだりして文字を読めなくなった人向けに始めた。毎月、市役所が発行する誌面の中から福祉や地域の話題を選び、それを朗読したものをテープに録音して高齢者施設などに届けてきた。合併前の旧西淡町の頃から現在までの収録回数は計461回に上る。
高齢者施設を訪ねる際は得意のカラオケを生かし、入所者に歌を披露した。新型コロナウイルスの影響で今も中断しているが、これまでに300回以上の慰問を重ねた。
現在のメンバーは26人で平均年齢は70歳を超える。佐藤繁俊会長(76)は「結成した時は30代だった。新しいメンバーを募ることも課題の1つかな」と笑う。
丸40年となる9月には、高齢者施設の入所者を招待する音楽イベントを予定。ほかの地域のカラオケグループや、プロの演歌歌手を呼ぶことも企画する。
佐藤会長は「これまでの活動を振り返る場として、にぎやかな行事にしたい」と意気込む。