世界的霊長類学者、河合雅雄さんの偉業伝える場 ふるさと丹波篠山に開設へ

人と自然の博物館名誉館長、京都大学名誉教授の河合雅雄(かわい・まさお)さん=篠山市野尻

 兵庫県丹波篠山市出身の世界的な霊長類学者、故河合雅雄さん(1924~2021年)の偉業を伝える場が、丹波篠山市民センター(同市黒岡)の図書コーナー内に設けられる。市が25日発表した2023年度一般会計補正予算案に、整備費990万円を盛り込んだ。30日の市議会本会議に補正予算案を提出し、来年5月ごろの開設を目指す。

 河合さんは京都大理学部動物学科卒。京都大霊長類研究所長や日本モンキーセンター(愛知県犬山市)の所長、兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)の館長を歴任した。草山万兎名義で「ドエクル探検隊」など児童文学の執筆にも情熱を注いだ。

 2002年に帰郷し、丹波篠山市で21年5月に亡くなった。人と自然の共生や伝統文化の継承といった河合さんの理念は、丹波篠山市のまちづくりに反映されている。

 新設する顕彰拠点では河合さんの生涯や業績、写真などをパネルで紹介。市は河合さんを追悼する冊子や映像も作成しており、そうした資料や著作、ゆかりの品などを展示する予定。

 幼少期に里山の自然の中で遊び、学んだ河合さんの理念、精神を次世代へ継承していくため、子どもらが自然と触れ合うワークショップなどソフト事業も検討課題となっている。(堀井正純)

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