「習字を手取り足取り教えます」先生は地元のうまい人たち 京都・南丹の小学校

児童の手を取って教える地元の書道サークルの女性(京都府南丹市園部町・園部小)

 京都府南丹市園部町の園部小は、習字の授業の指導役として、書道サークルの講師ら地元の住民に来てもらう取り組みを始めた。習字は、なじみの薄い児童には手取り足取り教える必要があるが、教員の目配りが完全には行き届かない場合もある。長い書道歴を持つ住民の手ほどきで、児童に習字のこつや楽しさを伝える。

 同小の地域連携の一環で、初回は16日に行われた。長く書道をたしなむ地元の60、70代の女性6人が1クラス2人ずつに分かれ、習字を学び始めた3年生を教えた。

 児童は筆にどれくらい墨を付けてよいかも分からない様子だったが、サークルで指導役を担う黒木雅子さん(79)は「墨が筆の中に入るようにして」と手を取りながら教えた。他のメンバーも、一人一人に「筆を立てて」「丁寧に」と声を掛けた。児童は「二」や名前を書いた。

 黒木さんが手本を書く様子をタブレット端末で撮影し、画面に映す場面も。美しい筆跡に、児童は「おー」と歓声を上げた。児童(8)は「友達に『90点』と言われてうれしかった。楽しく書けた」と笑顔を見せていた。

 指導した高木佳代子さん(71)は「一生懸命な子どもから元気をもらった」と喜び、黒木さんは「文化庁が京都に来たこともあり、書道にさらに触れてほしい」と期待した。

 同小の伊丹成嘉校長は「レベルの高い方々にきめ細かく教えてもらえる。習字の授業は担任だけではなかなか手が回らず、複数の指導者がいれば児童は質問しやすい」とし、地域のサポートに感謝していた。

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