長崎大高度感染症研究副センター長退任 調漸さん 40年振り返る書籍出版

書籍を出版した調さん

 長崎市立病院機構の調漸副理事長(67)は、3月末で長崎大学特命教授・高度感染症研究センター副センター長を退任し、約40年間の大学での生活を終えた。これを記念し、各分野で深く関わりがあった人からの寄稿をまとめた書籍「調漸の解体新書」(A5判、445ページ)を自費出版した。
 調さんは1982年に医師として長崎大学病院に入局。離島・へき地医療や学生のメンタル支援に取り組み、副学長も務めた。核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の創設やBSL-4設置にも関わった。学外でも平和推進協会理事長や県音楽連盟会長などを務め、医学、平和、音楽と多くの分野で活動している。
 「継続力は驚異的」「面白いもの好き」-。同書では大学生時代から現在まで、親交があった各分野の84人がエピソードを寄せ、調さんの業績や人柄をそれぞれの視点から紹介。調さんは「多くの分野に手を出してきたが、本を作っていく過程で自分の根底にあるものを再確認した。一つの区切りとして、これまでに見たことがない面白いものができた」とほほ笑んだ。
 書籍は非売品。市立図書館、長崎大付属図書館、長崎原爆資料館図書室などで閲覧できる。

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