烏山高3年生 和紙すきに集中 自らの卒業証書に活用

和紙すきを体験する生徒(手前)

 【那須烏山】烏山高3年生の恒例行事「和紙すき体験」が25日、福田製紙所の工房「和紙の里」(小原沢)で始まった。7月まで、クラスごとで順次、自身の卒業証書に活用される烏山和紙を自らすいていく。

 古里の歴史や文化を学ぶ同校の地域学習「烏山学」の一環で毎年行っており、今年で5年目。

 この日は同校3年4組の41人が同工房を訪れた。水槽に入った液状の「紙料」を「すき桁(けた)」ですくい上げ、両手で揺らして水分をふるい落とし、ゆっくりと和紙を剥がし取った。同製紙所代表で県伝統工芸士の福田博子(ふくだひろこ)さん(53)は「水をすくったら水平を維持して」「置いた紙に水滴を落とさない」などとアドバイスしていた。

 秋元勇真(あきもとゆうま)さん(17)は「紙料をすくい上げるのが難しかった」。鮎澤諒平(あゆさわりょうへい)さん(17)は「どんな紙になるか楽しみ」と話した。

 生徒がすいた和紙は、水を絞ったり乾燥させたりする行程を経て完成する。

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