学習塾が不登校生支援 金沢、小松、白山の6塾連携

不登校の塾生の連携サポートについて話し合う学習塾経営者=金沢市内の学習塾

  ●高卒資格の取得後押し、夏休み中に指導へ

 石川県内の六つの学習塾が、高校に通えなくなった塾生の高卒資格取得を後押しする取り組みに乗りだす。指導スタイルや科目など塾ごとに異なる強みを生かし、生徒のニーズに応じた支援メニューを提供する。関係者によると、受験指導に力を入れる個人塾が不登校生のサポートで連携するのは全国的にも珍しい。高校中退が増える夏休み中のスタートを目指し、準備を進める。

 金沢市の学習塾「金沢学遊」が県内の他の塾に提案した。同塾では3年前、高校になじめず、学校を中退する塾生が増えたことを受け、県外の通信制高校のサポート校となり、不登校となった若者の指導に当たってきた。

 この取り組みに金沢、小松、白山各市の五つの塾経営者が賛同。不登校となったり、高校を中退したりした人に通信制高校への入学を促し、連携して卒業までの学習を支援することになった。

 金沢学遊の小矢田学紀塾長は「各塾で得意とする指導分野があり、自宅訪問型や通塾型、個別指導といった学びの形も違う」と強調。複数の塾が枠組みに加わることで幅広い地域をカバーできる利点もあるとし、「1校でやるより手厚い支援ができる」と話した。

 小矢田さんによると、現時点で参加を決めたのは金沢市以南の塾のみだが、他の市町でも声を掛けており、能登地区に教室を構える塾も近く加わる見通しとなっている。

 金沢、輪島の2カ所に学習センターを構える通信制高校「日本航空高校通信制課程」(山梨県)の担当者は「通信制のサポート校となる塾は全国にあるが、個人塾がまとまってというケースは聞いたことがない」と指摘。「多様な学びを受けられることは生徒にとってもプラスになる」と評価した。

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