【大雨への備え再び】静岡市が河川緊急点検 静岡県内一部地域では避難所開設も

静岡県内では8日夜から再び大雨が心配されている。先週の豪雨による県内各地の被災地では、緊急の点検や対策が行われ、住民らが警戒を強めている。

8日朝、安倍川の支流、細木沢。静岡市河川課の職員3人が川に入り、川底にたまった土砂の状況を確認していった。この緊急点検は、市が管理する187の河川を対象に、2022年の台風15号で土砂の堆積や越水などが確認された場所を中心に行われている。

(静岡市河川課 鈴木雄太 主任技師)

「全体的に土の堆積がみられたので、早急に対策を講じる必要があります」「優先順位を決めて、土砂の撤去作業を進めていきたい」

市では、7日までに67河川の点検を終え、約半数の場所で土砂の堆積を確認した。9日までに全ての調査を終える予定。

この川は、2022年9月の台風15号で越水し、付近の住宅は浸水被害に見舞われた。住民に話を聞くと…。

(付近の住民)

「この辺一帯、床上浸水の家がいっぱい」

大規模半壊と診断され、住むことができなくなったという家に案内してもらった。1m60cmの高さまで水に浸かったという。この家には3人で住んでいたが、全員、事前に避難して無事だった。

(付近の住民)

「雨雲レーダーなど見られるので情報を収集して、あの赤いのを見てしまうと逃げなくちゃと思いますからね」

一方、この家は一階部分の大半が浸水したが、業者の手配が付かず、今も改築作業が続いていた。2022年の台風15号、そして先週の台風2号のときも市内の娘さんのところへ避難した。今また台風3号が近づいていることについて聞くと…。

(付近の住民)

「心配です、本当に心配で、避難しなければと、荷造りはしてある」

行政による河川の対策も急務だが、水害から身を守るには早めの避難など住民一人一人の心がけも重要だ。

一方、森町では今後の大雨に向けて、急ピッチで復旧作業が行われている。森町では、2日の記録的な豪雨で町内で1時間に67ミリの雨を観測した。町内を流れる太田川が増水、鍛冶島橋に上流からの流木が絡んで水の流れがせき止められ、橋の一部と脇にある県道が崩落した。現在は橋に絡まった流木の撤去作業が行われている。この流木の多くは、2022年の台風15号の影響によるものだと住民は話す。

(住民)

「台風15号でやられた(流木が)放置されていた河川敷にそれが流れてきて止まるのは当然予測はしていた」

工事関係者によると、流木の撤去には約3週間かかる見込みだが、これからの雨の影響でさらに遅れる可能性もあるという。また、この橋の上流部にある家では危機的な状況を迎えている。

(清水将光 記者)

「こちらの家では近くを流れる川が増水し、住宅の2メートルほど近くまで土が削り取られてしまっています」

この家では、今回の雨で地面が削られ、木造の車庫と車1台が流されてしまったという。また物置小屋の地面が一部崩落している。現場ではこれ以上、被害が拡大しないように急ピッチで大型土のうを設置する作業が進められている。

(住民)

「台風もきているし、通り越して残っていたらもうけものと思うしかない」「半分残ってほしい気持ちと、半分は諦めないといけないという気持ち、災害だからどうなるかわからないが」

また町内では、8世帯で断水し、町では飲料水の給水所を設置してるが、復旧の見込みはたっていないという。住民は、簡易水道のタンクに近くの沢の水をくみ上げ生活用水として利用し対処している。付近は、先日の雨で地盤が緩んで、土砂災害の危険性が通常より高まっているとして、町では常に最新の情報を確認するよう呼びかけている。

避難に関する情報。8日夜からの大雨で、土砂災害が発生する恐れがあるため、浜松市と湖西市、磐田市の一部地域に、警戒レベル3の「高齢者等避難」が出ている。そのほか、避難所を開設している自治体もある。詳しくは各自治体の情報をホームページなどで確認できる。

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