別府市のミニ自動車レンタル「ゆのくにクルーザー」、EV車で再スタート【大分県】

ガソリン車からEV車に刷新し、再スタートした「ゆのくにクルーザー」=9日、別府市駅前本町のアマネク別府ゆらり

 【別府】車体の故障などで休止していたミニ自動車のレンタルサービス「ゆのくにクルーザー」が9日から再開した。昨年3月に別府市の外郭団体「ビービズリンク」が主導してサービスを開始したものの、利用数は伸び悩んだ。車体を以前のガソリンタイプから電気自動車(EV)に入れ替えて運用する。

 ゆのくにクルーザーは、市とビービズリンクが「観光に伴う移動もアクティビティとして楽しんでほしい」と企画した。当初は新型コロナウイルス下でも「密にならず楽しめる」として、別府観光の起爆剤になると期待していた。

 しかし、細かい振動で車体のネジが緩むなどトラブルが多く、エンジン音への苦情も相次いだ。オートマチック車(AT車)に慣れている運転手にとってはセミオートマチック車の操作も難点だったという。9月ごろには運用を中断。ガソリンタイプ8台の利用は7カ月で150人だった。

 ビービズリンクによると、市内をミニ自動車で移動するサービスの将来性を考慮して事業を継続。車体を刷新し、市内に戻り始めた観光客を受け入れる。ガソリンタイプはすべて売却し、EVタイプ6台を購入した。

 EVタイプはAT車で、比較的簡単に運転できる。振動が抑えられ故障も少ない利点があり、ガソリンタイプと比べ静粛性が高いという。二酸化炭素(CO2)の排出がなく環境にも配慮した。フル充電で約50キロ走行できる。

 運転には普通免許が必要で、ヘルメットの着用義務はない。座席は二つあるが、公道走行の際は1人乗り。国外運転免許証の提示があれば、外国人観光客にも貸し出す。

 ビービズリンクは「ミニ自動車で公道を走行できる機会はなかなかない。ぜひ運転し、別府に滞在する際の移動時間も楽しんでもらいたい」と話している。

 市内駅前本町の「アマネク別府ゆらり」を拠点にレンタルする。電話予約か同市の観光案内所「ワンダーコンパス」で受け付ける。レンタル料金は1時間2300円、2時間2700円、3時間3千円。営業は午前10時~午後6時。定休日は火曜で、雨天の場合は休業。予約はクリオシティおおいた(070.5403.6165)。

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