作新高出の谷田5冠達成 体操アジアジュニア選手権

個人総合で初優勝を飾った順大の谷田(中央)=シンガポール

 体操の第16回アジアジュニア選手権は12日までに、シンガポールで行われ、作新学院高出の谷田雅治(たにだまさはる)(順大)が団体と個人総合、種目別のつり輪、平行棒、鉄棒でも頂点に立ち、5冠を飾った。

 団体は11カ国で争われ、日本は全6種目で241.050点をマークし、2位の中国に4.600点差で優勝。団体戦の点数で順位を決めた個人総合は谷田が79.900点で野田漣音(のだれんと)(福井・鯖江高)を0.100点差で上回った。

 昨夏の全国高校総体で個人総合を制した作新学院高出の谷田雅治(順大)。勢いそのままに同世代のアジア王者まで登り詰めたが、「優勝できたことは自信になる」と喜びは控えめだった。

 高みを目指すからこそ満足感はない。「コンディションは良かった」とつり輪と平行棒で全体トップの得点をマークしたものの、「ミスもあった」。床は43人中29位で「素直に喜べない」と複雑な思いも明かした。

 それでも谷田には中1日で修正力があった。種目別決勝は予選で落下のあった鉄棒の着地をピタリと止め、「自分らしい演技ができた」と唯一の13点台となる13.650点をたたき出した。

 今後は全日本学生選手権も視野に入れる。「反省点を生かし頑張っていきたい」と謙虚に語った。

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