読書活動の優秀実践校 佐世保・山手小に文科大臣表彰 ゲーム感覚で貸出冊数の増加を後押し

学校司書(左)の読み聞かせを聞く児童=佐世保市立山手小

 長崎県佐世保市立山手小(丸上貴司校長)の読書活動が、文部科学省の「子どもの読書活動優秀実践校」に選ばれ、大臣表彰を受けた。本を読む習慣を身に付けることに主眼を置き、1人当たりの貸出冊数は年間50冊も増えた。後押しするのはゲーム感覚の取り組みだった。
 同校によると、1人当たりの年間貸出冊数は、2020年度の119冊から21年度は162冊、22年度は169冊と急増。22年度の県内小学生の平均112.5冊を大きく上回った。
 同校が目指すのは「子どもが何度も足を運びたくなる図書室」。一定期間中の読書冊数が多い個人や学級を表彰する「チャレンジランキング」を開催するなどし、児童の読書意欲をかき立てる工夫をした。また、オリジナルのしおり作りや塗り絵のコンテスト、図書室のマナーをクイズにするイベントも企画。いずれも昼休みに本を借りた人が参加でき、楽しみながら本に親しむ環境をつくった。
 「本が苦手な子も“ゲーム”目的であれば図書室に来て、本を読んでいる」。20年度から図書担当の本村香那子教諭(36)はこう話す。「読書の経験が少なく、何を読んでいいのか戸惑っている子もいる」として、学校司書らが児童の関心にあった本を紹介したり、読み聞かせをしたりして興味を促す。司書が学校にいる日に合わせてクラスごとに「図書の時間」を時間割に組み込み、本に触れ合う時間を意識的に確保している。
 想像力を豊かにし、人格形成にも影響するとされる読書。本村教諭は「読書が心の糧になる。本を楽しむ素地を培ってほしい」と話している。

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