70年前の京都・宇治川決壊、住民は舟で移動 「水害の可能性忘れないで」

西山さんから過去の災害や防災活動の話を聞く生徒たち(宇治市槙島町・槙島中)

 地域防災について学ぶ授業が、京都府宇治市槙島町の槙島中であった。1953年に府南部を襲った「昭和28年災害」の経験者で、地域の防災活動に取り組む住民が講演し、1年生76人が災害に備える大切さを学んだ。

 講師は同町の西山正一さん(75)で、宇治川の堤防が決壊した28年災害の時は5歳だった。道路の交差点が水没して住民が舟で移動する様子を伝える写真などを紹介し、「過去の災害を現在に生かしてほしい」と語った。

 地域の防災組織で役員を務める西山さんは、避難のタイミングや避難場所をあらかじめ定める「災害・避難カード」などの取り組みを説明した。また、地域に「川」「橋」といった水に関する地名が多い点に触れ、「いつも水害の可能性があることを忘れないで」と呼びかけた。

 講演を聞いた生徒(13)は「地域の人たちの苦労が分かった。災害時に中学生ができることを考え、積極的に取り組みたい」と話した。

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