全国から注目されている初めての試み。静岡・湖西市で、16日から、新しい水道料金の実証実験が始まった。利用時間によっては水道料金が安くなることも!?
水道事業の未来を変えるかもしれない全国初となる今回の実証実験。湖西市内の1890戸が16日から4か月間「新水道料金」で生活する。対象のお宅を訪ねると、市から案内された「新料金」の資料があった。
(実証実験の対象者)
「使う人が少ない時間に使うとお得になると書いてある」
記者Q「(2が月で)1500円くらいお得と書いてありますけど、使い方によってだとは思いますが」
(実証実験の対象者)
「1500円くらい変わるなら、ずっと続けると大きいなと思う」
通常、水道料金は、2か月に一度、検針員が住宅を1軒1軒まわり使用量を確認して料金を算出するため、どの時間に水を使っても金額は変わらない。一方、「新水道料金」では水の利用が少ない時間帯は料金を安く設定。午前10時から夕方5時までは2割引き、夜11時から翌朝6時までは、なんと6割引きになる。この時間帯別料金を実現するための秘密が水道メーターにあった。
(川口卓也 記者)
「こちらのお宅の水道メーターには、一般の家庭と違い、こちらの通信装置がついています、この装置で1時間ごとに計測できます」
通信機能がついた水道のスマートメーター。使用量が遠隔で細かく確認できるため、時間ごとの料金が計算できる。
この「新料金」を導入する狙いは、市民が水道を使う時間を分散させることにある。
(実証実験の対象者)
「洗濯機、みんな入浴した後に回すことが多い」「午前10時にいつも回していた」「午後11時以降に回そうと思っている」「60%安くなるなら、この時間に使った方がいいのかなと思う」
水道事業をめぐっては、全国で水道施設の老朽化が課題となっていて、老朽化した水道管が破損し大規模な断水となる事例も出ている。県によると、法定耐用年数の40年を超える主要な水道管は全体の2割以上。距離にして約800キロメートルあり、今後さらに増える見込み。その一方で、人口減少により収益は減少傾向にあるため、水道料金の値上げが全国各地で相次いでいる。そこで湖西市が考えたのが「時間帯別料金」。水を使う時間が分散すると予想されるため、最も利用されるピークが抑えられ水道管をサイズダウンし敷設費用を抑えることができる。
(湖西市水道課 外山典靖 課長代理)
「水道をよく使う時間帯のピークで、その水を供給できるように整備している」「ピークをシフトできれば、必要以上の設備をもたなくてもいいのはかなり費用削減につながる」「無駄のない費用投資、水道料金に直結していくことになるので」「値上げ幅をおさえることができるのではないかと思っている」
湖西市では、今年度中には使用量のピークに変化があったかなど結果を公表する方針。また、2027年度末までに全世帯に水道スマートメーターを設置し、今回の結果を元に新料金を導入できるのか検討するという。