がん闘病の悩みや不安、対面で語れる喜び 3年ぶりサロン開催 京都・南丹

久しぶりのサロンで、がんについて語り合う参加者(南丹市八木町・京都中部総合医療センター)

 京都府丹波2市1町のがん患者らでつくる「京都丹波がんサロン パインツリー」が、京都府南丹市八木町の京都中部総合医療センターで3年ぶりにがんサロンを開いた。参加者はがんにまつわる悩みや不安、回復に向けた努力を共有しつつ、対面で語り合えることを喜んだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大で2020年から休止していた。12日のサロンには15人が出席し、和気あいあいと2時間を過ごした。

 咽頭がんを経験した女性は、発声を補助する器具を的確に操って「これを使って話せるのはとても助かる」と述べた。パインツリー代表の小笠原英子さん(79)=南丹市美山町=は「前向きな姿に、勇気をもらった」と言葉をかけた。

 別の女性は、夫が余命3カ月と言われながら、3年が過ぎたとした。岩﨑靖呼吸器外科部長・緩和医療部長(59)は「医療は進歩し、20年前と今とではだいぶ違う。薬が効けば長生きできる」と指摘した。このほか「親に言うかを悩んだ」「『なんで私だけ』と思った」などと、がんが発覚した当時の心境が吐露された。

 終了後、亀岡市の女性(54)は「サロンがあると孤立せず、前向きになれる安心感がある」と話した。小笠原さんは「顔を見られたのがうれしかった。これからも続けたい」と意気込んだ。

 毎月第2月曜の午後2時から。かかっている医療機関を問わず、誰でも無料で参加できる。

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