〈カターレ富山・J3〉連勝首位キープ 逃げ切り八戸に2―1 石﨑前監督に恩返し2発

後半26分、自ら獲得したPKで、2点目を決める吉平=富山県総合運動公園陸上競技場

 明治安田生命J3第15節(24日)カターレ富山は富山市の富山県総合運動公園陸上競技場でヴァンラーレ八戸を2-1で下し、2連勝した。前節と同じくMF佐々木陽次とFW吉平翼のゴールでリードし、終盤に失点したものの逃げ切った。通算成績は9勝3分け3敗の勝ち点30とし、首位をキープした。

 昨季のシーズン途中で退任となった石﨑信弘前監督率いる八戸を迎え、富山にとっては特別な一戦だった。前半、前線からの圧力を強めてミスを誘う八戸に対し、裏に蹴ったボールにFW高橋駿太(射水市出身)を走らせる形で対抗。実を結んだのは39分で、高橋からパスを受けたDF柳下大樹の右クロスに走り込んだ佐々木が頭で合わせ先制した。

 後半も富山がペースを握り、26分には直前の仕掛けでPKを獲得した吉平が自らの右足でゴールネットを揺らした。八戸の反撃に遭ったが、1失点に抑えて勝ち点3を守り切った。J2昇格への道半ばでチームを去った石﨑氏に、勝利で「恩返し」した。

 富山は7月1日、県総合運動公園陸上競技場で鹿児島ユナイテッドFCと対戦する。

 ●OBがレジェンドマッチ 往年プレーに観客沸く

 八戸戦を前に、歴代OBが対戦する「レジェンドマッチ」が行われ、元カターレ選手36人が往年のプレーでサポーターを沸かせた。

 初代主将の濱野勇気さんが主将の「チーム濱野」と、韓国出身のソ・ヨンドクさんが主将の「チーム・ヨンドク」に分かれて熱戦を展開。4―3でチーム濱野が勝利した。

 濱野さんは「プレーの質は高くなかったが、自分たちが楽しむことでサポーターを楽しませるという共通理解を持ってやれた」と充実感たっぷり。クラブ最多得点記録を持つ苔口卓也さんはきっちりシュートを決め「懐かしいメンバーと参加できて良かった。温かい声援があり、点が取れて安心した」と笑った。

 試合後はサポーターと写真撮影やサインで交流した。パート本城泰子さん(57)=魚津市=は「当時のプレーがよみがえった。OBに楽しませてもらい、現役選手を応援する気持ちもより強くなった」と話した。

  ●食農プロジェクト2年連続メディア賞

 ○…会場では「Jリーグシャレン!アウォーズ」の授賞式が行われ、2年連続でメディア賞を受けたカターレの「食農プロジェクト」をたたえた。野々村芳和チェアマンから左伴繁雄社長に記念品が贈られた。

 カターレは練習拠点である富山市草島グラウンドの刈芝を活用した堆肥「芝~レ!」を使って親子でサツマイモを栽培する活動を展開。食農教育の大切さを伝えている。

富山   〓富山〓   八戸

    2(1-0)1

     (1-1)

▽得点者【富】佐々木(4)吉平(PK)(6)【八】妹尾(2)

0田川 GK 谷口0

0今瀬 DF 近石0

0大畑    山田0

0安光    蓑田0

1柳下

0坪川 MF 相田2

0末木    姫野2

1佐々木   前沢0

       国分0

2吉平 FW 稲積0

1松岡    佐藤1

1高橋駿   佐々木1

▽交代【富】後17分脇本0(坪川)後34分アルトゥールシルバ0(末木)後34分大野0(佐々木)後43分林堂0(吉平)【八】後15分山内0(国分)後20分妹尾1(佐々木)後31分佐久間0(姫野)後31分小牧0(前沢)▽観衆 3640人▽警告【富】大畑、大野【八】山田

熱戦を展開するカターレOB
「Jリーグシャレン!アウォーズ」の授賞式

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