キャベツ畑全力疾走 射水の若者グループ、富山でアグリスポーツ

キャベツの栽培予定地で全力疾走する参加者=富山市金山新中

  ●親子、収穫にも汗

 射水市の若者グループ「とやまのめ」などは25日、富山市金山新中で農業と運動を組み合わせた「アグリスポーツ」のイベントを行い、親子連れ26人がほ場での50メートル走やキャベツ収穫を楽しんだ。農家の担い手不足や高齢化が進む中、グループは今後も農業への関心を高めるためアグリスポーツの普及を図る。

 イベントは「アスリッシュ畑」(富山新聞社後援)と銘打ち、陸上スクールなどを開く一般社団法人「アスリッシュ」(富山市)との共同で4月に始まった。第1、2回は「とやまのめ」が拠点とする射水市の古民家横の畑で、ごみ拾いやジャガイモの苗植えを行った。

 第3回はキャベツ畑の見学で、農業法人「健菜堂」(富山市)とJAなのはな(同)が協力した。参加者は健菜堂が秋冬用キャベツを栽培するために耕したばかりの畑に入り、陸上男子100メートル元県記録保持者であるアスリッシュの西村顕志(たかゆき)代表から速く走るこつを学んだ。ふかふかの畑で50メートルを全力疾走して競ったほか、3チームによるリレーも盛り上がった。西村さんによると、不整地で走ると体幹が鍛えられるという。

 健菜堂がブランド化を進めるキャベツ「高志(こし)の賜物(たまもの)」の収穫体験では参加者が1家族2玉ずつ土から引き抜いた。天然酵母を活用して甘さが引き立つキャベツを生や塩こしょう炒めで味わった。家族といとこの4人で参加した朝日颯太朗君(富山市豊田小3年)は「キャベツは重くて大変だった。畑を走るのは楽しかった」と笑顔を見せた。

 「とやまのめ」によると、アグリスポーツの実施は全国的にも珍しい。中谷幸葉(こうよう)代表は「農業への関心を高めたい。子どもたちが大人になっても記憶に残っているような取り組みになればうれしい」と話した。

キャベツを収穫する参加者

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