国学栃木高出身・ラグビー女子 松田 パリ五輪へ決意新たに 母校で教育実習 日本代表の技術披露

後輩を熱心に指導する松田さん(右から3人目)=国学栃木高ラグビー場

 昨秋ニュージーランドで行われた女子ラグビー15人制のワールドカップ(W杯)に日本代表として出場した日体大4年の松田凜日(まつだりんか)(21)が今月中旬まで、母校の国学院栃木高で教育実習を行った。放課後はラグビー部の指導にも当たり「本当にやりがいを感じた」と充実感をにじませ、「この経験を今後の競技人生にも生かしたい」と未来を見据えた。

 大学卒業後は競技専念を考えているが、「キャリアの選択肢を増やしたい」と教員免許の取得を決意した。3週間の実習期間中は保健体育の授業で食と健康などについて講義。アスリートとして普段から食生活に気を使っていることもあり、「栄養の知識やバランスについてうまく伝えられた」と手応えを口にした。

 放課後は女子ラグビー部の練習で、アタックの際のスペースへの走り込み方など技術について熱心に指導。真剣に取り組む後輩たちの姿に「高校生のころを思い出して懐かしい」と笑みを浮かべた。

 東京都府中市出身。日本代表として活躍した父・努(つとむ)さん(53)の影響で小学3年から競技を開始した。国学院栃木高に進学したのは、代表活動への理解の深さや、男子とともに練習できる環境に魅力を感じたからだ。高校3年時に7人制の代表に初選出され、けがで出場はかなわなかったが東京五輪の代表にも選ばれた。

 その後は代表を離れ、大学で15人制に初挑戦。15人制でも代表に選ばれ、フルバック(FB)としてW杯に出場した。未勝利に終わったが「個人的にはパワーの差を感じなかった」と将来への手応えをつかむ大会となった。

 現在の松田はパリ五輪を目指し、代表候補としての活動が中心。「まずは代表の正式メンバーになること」を目下の目標とし、「今度こそ五輪の舞台に立ちたい」と躍進を誓った。

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