ブラタモリ案内人が講演 足利「三度天下に君臨した」

足利の「天下一」を紹介した大澤さんの講演

 【足利】今年1月、足利を特集したNHKの「ブラタモリ」で案内人を務めた史跡足利学校の大澤伸啓(おおさわのぶひろ)学芸員がこのほど、田中町の県南地域地場産業振興センターで「ときどき天下をとった足利物語」と題し講演した。足利歴史ミュージアム設立推進協議会が主催した。

 大澤さんは冒頭、同番組の“お題”となった「足利はときどき天下をとる!?」について、1977年発行の「近代足利市史」から着想を得たと明かした。同書は足利氏による足利幕府の創立、足利学校の隆盛、繊維工業の繁栄の三つを挙げ「足利は三度天下に君臨した」と書いているという。

 加えて、民間団体が発表するイルミネーションアワードで7年連続1位の「あしかがフラワーパーク」も観光の面で天下をとっていると解説した。

 放送されなかった「天下一」として、足利盲学校が視覚障害者の卓球「サウンドテーブルテニス(STT)」発祥の地となったことや、県内にイチゴの栽培を広めた市出身仁井田一郎(にいたいちろう)の功績なども紹介した。

 大澤さんは「豊かな歴史を持った足利の住民であることに誇りと自信を持って過ごしましょう」と述べ、講演を締めくくった。

復元された足利学校の「方丈」(左)と「庫裏」

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