「親を売ることできなかった」 虐待受けた女性、当時の複雑な感情語る

虐待を受けた体験や怒りのコントロールについて講演する島田さん(南丹市園部町・京都医療科学大)

 PTA関係者らが教育について考える「なんたん子育てフォーラム」が、京都府南丹市園部町の京都医療科学大で開かれた。「児童虐待防止機構オレンジCAPO」理事長の島田妙子さん(51)=大阪府島本町=が、幼少期の虐待経験や怒りを抑える「アンガーマネジメント」について講演した。

 島田さんは中学2年までの6年間、継母と父による暴力や暴言に苦しんだと語った。担任の教師が粘り強く本心を聞き出してくれ、児童養護施設に移るまで「親を売ることはできない」という複雑な感情から助けを求められなかった、と振り返った。

 育児に伴いがちな怒りについては、激しい感情が生じてすぐ反射的に行動せず、衝動が収まるのを待つ「6秒ルール」を解説。冷静に考えた上で怒るべき場合もあるとし「怒りではなく、心配だという気持ちを子どもに伝えて」と訴えた。

 講演後、京丹波町橋爪の瑞穂小PTAによる実践発表や絵本を生かした教育などの分科会もあり、参加者らが意見を交わした。

 同フォーラムは、府南丹教育局と子育て関係の団体でつくる「南丹地区子育て支援協議会」が25日に催し、保護者や教師ら約180人が参加した。

© 株式会社京都新聞社