【玖珠】昨年公開のアニメ映画「すずめの戸締まり」に登場するドアに見立てた「あの扉」が29日、玖珠町岩室の豊後森機関庫公園に設置された。物語の序盤、同機関庫を思わせるシーンがあり、国内外から「聖地巡礼」とみられる観光客が急増している。さらに話題性を高めようと、町観光協会が企画。製作は地元高校生にも手伝ってもらった。
映画は九州で暮らす女子高校生が主人公。扉はストーリーを通して重要な役割を果たし、観賞した人の印象に残る。
協会は5月に「あの扉製作プロジェクト」を立ち上げた。一枚板から趣のあるドアを作り、アンティークなドアノブを取り付け。協会メンバーが白のペンキで塗り上げた。
映画の扉に近づけるための仕上げ作業は、玖珠美山高美術部の10人が請け負った。電動ヤスリと金属製のブラシを使い、古く朽ちた風合いを再現。武石朱令(しゅり)部長(17)=3年=は「本物に近づけるのは難しかったけど、かなり高いクオリティーに仕上がったと思う。観光客はもちろん、映画の監督や出演した声優も見に来てくれたらうれしい」。
扉は公園に常設しており、機関庫をバックにした記念写真も撮れる。
協会の新川啓太さん(42)は「映画の公開以降、機関庫を訪れて写真を撮る観光客が一気に増えた。地元から多くの協力をもらって完成したので、新たな映えスポットとして定着するようPRしていきたい」と話している。