JR九州は1日、大分市内にあるJR日豊線高城、大在、坂ノ市と豊肥線中判田の4駅を無人化した。乗降客からは「乗客が少ないのでしょうがない」と理解を示す声がある一方、「事故や災害などに、すぐ対応できるのだろうか」と不安を感じる人もいた。
JR九州大分支社によると、同日から駅員がいる時間を短縮した日豊線鶴崎駅を含む5駅に、臨時の係員を配置する。今後2週間程度、切符の買い方や精算機の使い方の案内をするという。各駅に遠隔操作による安全確認・案内システムも導入した。
高城駅(高城新町)で大分行き列車を待っていた同市丸亀の公務員中村みどりさん(60)は「今日のような大雨だといろんなトラブルがあると思う。駅員がいないのは不安」と話した。
新しく設置された乗り越し用の精算機で、オペレーターとやりとりする利用客もいた。
中判田駅(中判田)を訪れた同市下郡の会社員石井雄一朗さん(19)は「利用客が少ない駅が無人になるのは仕方がないのかなと思う。ただ、機械の操作になじみのないお年寄りは不安を感じるのでは」と気にかけていた。
大分市は今月中旬以降、民間団体に委託して10月末まで利用者を見守るスタッフを置く方針を示している。
<メモ>
JR九州は2018年に大分市内の日豊線、豊肥線の計8駅を一斉に無人化する方針を発表した。同年12月までに日豊線の牧、豊肥線の敷戸、大分大学前の3駅で実施していた。無人化を巡っては、障害のある人たちが移動の自由を侵害されたとしてJR九州に損害賠償を求める訴訟を大分地裁に起こしている。