暦の七十二候(しちじゅうにこう)の一つで、田植えも一段落するころとされる2日の「半夏生(はんげしょう)」に合わせるように、佐賀県内の水辺ではハンゲショウがさわやかな白い花を咲かせ始めた。佐賀市の徐福長寿館・薬用植物園には、沢沿いを中心に群落が点在し、梅雨の晴れ間の園内に彩りを添えていた。
ハンゲショウは白い房状の花が咲くと同時に、葉まで白くなるドクダミ科の多年草。同館によると、利尿効果がある薬草としても知られ、7、8月に干して保存する。
関西地方では、田植えをした稲がタコの足のようにしっかり根付いて豊作になることを願い、「半夏生」にタコやたこ焼きを食べる風習がある。一方で最も大雨が降りやすい時期とも重なり、農家にとっては気の抜けない日々が続く。(写真と文・中島克彦)