身をていして狂犬から子どもを守り亡くなった江戸時代の少女「綱女(つなじょ)」の顕彰祭が7月2日、綱の石像がある福井県小浜市西津小学校で営まれた。西津地区の住民や同校4年生児童ら計約70人が、14歳の若さでこの世を去った綱の遺徳をしのんだ。
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綱は、同市西津の漁師の娘。奉公先の幼児を子守中に野良犬に襲われ、数十カ所をかまれながらも幼児を守り抜いたと伝わる。顕彰祭は、綱の命日である7月3日ごろに地区住民が毎年開いている。
神事では、綱女顕彰会の新野恭弘会長が「命の尊さ、人を思いやる人類愛など綱女が身をもって我々に残された教訓は、西津地区の人々の中に脈々と生きている」と祭文を読み上げた。その後、児童や松崎晃治市長らが順に玉串をささげた。