高畠・亀岡文殊、本尊ご開帳 1月以外は24年ぶり

亀岡文殊で始まった期間限定の文殊菩薩御開帳を前に法要を営む僧侶ら=高畠町・同所

 日本三文殊に数えられる高畠町の亀岡文殊で、12年に一度、干支(えと)の卯(う)年に行われる本尊の「文殊菩薩(ぼさつ)」のご開帳が2日、同所で始まった。10月29日までの限定公開で、1月以外のご開帳は24年ぶり。初日から、ご利益を求める多くの参拝客でにぎわった。

 本尊の文殊菩薩は中国から伝来し、807(大同2)年に奈良東大寺の徳一(とくいつ)上人によって移されたと伝わる。知恵の文殊と称され、通常は毎年の元旦と1月25日に30分程度公開している。卯年の本尊でもあり、卯年のご開帳は24年ぶり(前回は東日本大震災で取りやめ)となった。

 本尊・開帳法要では、僧侶6人が麓でお経をあげた後、木漏れ日が差し込む石段を踏みしめながら文殊堂に進み、堂内で再びお経を唱えた。出席した地元関係者ら約30人を前に、筆頭末寺・万徳院(同町)の島津有宏(ゆうこう)住職が「東日本大震災やコロナ禍など、大変なことが続いた。人々の安寧や経済活性化、社会の安定を祈とうしていく」とあいさつした。

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