麻の生産量全国一を誇る栃木県鹿沼市の永野地区で、麻農家の収穫作業がピークを迎えている。
県あさ振興連絡協議会で会長を務める農業大塚保雄(おおつかやすお)さん(70)は、約2500平方メートルある同所のほ場で麻を栽培している。
11日は朝から、高さ約2メートルに達した茎の刈り取り作業をした後、午後は青い麻を熱湯で数十秒煮て殺菌する「湯かけ」を行った。大塚さんは強い日差しと釜の熱気を浴びて全身汗だくになりながら、黙々と作業を続けていた。
収穫は20日ごろまで。天日干しや皮むきなどを経て、県内の問屋を通じて11月ごろに全国に出荷される。神社の鈴緒などに使われるという。大塚さんは「強風で倒れるなどのトラブルはあったが、今年は上々の出来栄え」と話している。
市農政課などによると、麻の作付面積は2021年時点で、全国約7ヘクタールのうち同市が8割弱を占めている。