大型複合遊具導入で入園者増えすぎ「困った」 兵庫中部の公園 駐車場待ちの渋滞、迷子の頻発…駐車場有料化も検討

休日に「満車」の表示が掲げられる駐車場=小野市浄谷町、ひまわりの丘公園

 兵庫県小野市内外から子ども連れらが訪れる「ひまわりの丘公園」(同市浄谷町)が、入園者の急増に悩まされている。昨年末に大型複合遊具「ひまわりタワー」を一般開放してから、今年5月末までの入園者は前年同期比2.1倍に。一方、市外からが9割弱という入園者は5月の連休中、1日1万人を超えた。駐車場待ちの車列が国道175号まで長時間続き、市は駐車場の有料化も検討しているという。(坂本 勝)

 同公園は2002年にオープン。駐車場、入園料ともに無料で、近年は年間約70万人が訪れる。約2万平方メートルに及ぶ芝生の広場が広がり、四季折々の花々を楽しめる。

 ひまわりタワーは4階建ての構造。高さ9メートル部分から全長27メートルを一気に降りる滑り台や寝転んだり跳ねたりできる巨大ネット、跳躍器具などがあり、主な対象の小学生には大人気だ。

 子どもは遊具で思い切り体を動かし、保護者らは日よけのタープなどに隠れてひと休み-。日中のんびり過ごせる一方、休日には迷子の放送案内が絶えない。

 市は20年9~10月の計7日間、入園者にアンケートを実施し、209件の回答を得た。入園者の居住地を尋ねたところ、神戸市19%▽小野市と加古川市各14%▽姫路市12%▽明石市11%-という結果に。小野市外が86%を占め、同市を含む北播磨は27%だった。都市部の騒がしさから離れ、ゆったりと過ごせる点が人気の理由とみられる。

 小野市は今年5月の連休中に起きた混雑に応じて巡回パトロールを実施。駐車場を計約500台分まで増やしたが、休日には午前10時ごろに全てが満車になる日もある。

 公園南側にあるヒマワリ畑の見頃と夏休みはもうすぐ。ゴールデンウイーク並みの混雑を心配する声もある。市は7月15~17日の3連休には、大勢の入園者が訪れると予想。混雑緩和のため、市役所と同公園を結ぶシャトルバスを運行する。

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 一方で、加古川市も子ども連れらの憩いの場をつくろうと、日岡山公園(同市加古川町大野)や権現総合公園(同市志方町野尻、同市平荘町中山)を再整備し、大型遊具や乳幼児向け遊具のある場所に改修する方針を明らかにしている。

 ひまわりの丘公園も平日は入園者が減り、駐車場には空きがある。小野市は「暑い夏にどれだけの人が来るか、大型遊具の人気がいつまで続くのか」と懸念。今後について「ヒマワリやコスモスの開花時期が過ぎた後、入園者がどうなっているか。公園を周辺の観光施設とどうつなげていくかも考え、駐車場有料化も含めて検討したい」としている。

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