みちのく有料道(青森県)、ETC搭載車は10%引き 普通車770円に

 青森県は19日、12月ごろに自動料金収受システム(ETC)の利用が始まるみちのく有料道路(青森市-七戸町、21.5キロ)に関し、ETC搭載車の通行料金を一律10%割り引くと明らかにした。道路建設費などの債務の償還が可能な収支となるよう割引率を定めた。

 同日の県議会質疑で今博(新政未来)、大平陽子(オール青森)、鹿内博(無所属)各議員の質問に永澤親兼県土整備部長が答えた。

 県は、みちのく道の利用者の約8割がETCを使うと試算。システムの利用料金や維持管理費を考慮し、割引率を算定した。ETC搭載の普通車の通行料金は現行の860円から770円となる。

 ETC導入に合わせて現行の回数券は廃止する方針で、道路を管理運営する県道路公社が払い戻し方法を検討している。料金所の渋滞緩和や、利用者と料金徴収員との接触低減による新型コロナウイルス感染防止などの導入効果を最大限生かす狙いという。

 県は6日開会の定例県議会に料金変更の関連議案を提出している。

 みちのく道は1980年に開通。当初計画では2010年に料金徴収を終える予定だったが、29年11月までに延長された。徴収期間終了後に無料開放となる予定だが、建設事業費210億円のうち64億円の債務が残っている。

 永澤部長は、コロナ禍での利用減少や災害発生の可能性を踏まえ「債務が残る現時点で開放時期を断言するのは適切ではない」と答弁した。

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