創立140年 節目の「弘高ねぷた」、中心街を堂々 弘前高校(青森県)

各学級自作の組ねぷたを引いて盛り上がる弘前高校の生徒たち=19日午後6時45分ごろ、弘前市南塘町付近

 弘前ねぷたまつり(8月1日開幕)に先駆けて、弘前高校の伝統行事「弘高ねぷた」の運行が19日夜、市内で行われた。浴衣姿の全校生徒約720人が、学級ごとに制作した組ねぷた18台とともに登場。「ヤーヤドー」のかけ声を張り上げて、中心街を若さはじける熱気で包んだ。同校の創立140年を記念して、同窓会の大型扇ねぷたも10年ぶりに出陣した。

 弘高ねぷたは、同校創立70周年記念式典の前夜祭があった1953年10月1日、弘前を代表する名絵師・竹森節堂(1896~1970年)が同校に泊まり込み、1週間足らずで準備したねぷたを運行したのが始まり。自治意識の高い生徒たちの情熱が運行を支えており、市民の夏の風物詩となっている。

 生徒たちは午後6時半、熱意とアイデアを詰め込んだ力作の数々を率いて学校を出発。勇ましいかけ声とおはやしを響かせながら、中央通りや土手町を巡る約6キロの道のりを進んだ。元気いっぱいの若者の姿に、沿道を埋めた多くの市民が拍手を送った。

 3年生の佐久間結萌さん(18)は「コロナ制限が緩和され、創立140年という節目の年にみんなと盛り上がれてうれしかった」と笑顔だった。同校の「鏡ケ丘同窓会」会長山上佳男さん(73)は「制作から運行まで成し遂げるのは、生徒たちにとって得がたい体験。今後も伝統をつなげていきたい」と話した。

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