直木賞に静岡・島田市生まれの永井紗耶子さん 「帯まつり」が題材のきっかけに

19日、芥川賞と直木賞の選考会が開かれ、直木賞に静岡・島田市生まれ永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」が選ばれました。実はこの作品の題材に興味を持つきっかけの1つが、島田市の祭りでした。

(直木賞受賞 永井紗耶子さん)

「うれしというのと怖いというのと、なんだこれというのが極まってくる」

第169回、直木賞に決まった永井紗耶子さん。島田市生まれの46歳です。受賞作「木挽町のあだ討ち」は、江戸を舞台に、雪が降る夜、芝居小屋のそばで起きた仇討ちをめぐる時代小説。今回の受賞に驚きの表情を浮かべました。

(直木賞受賞 永井紗耶子さん)

「どんな人でも手に取っていただけるものを書いた作品」「読みやすさという点では自信をもっていたが、遠くに見上げていた賞をもらうとは思っていなかった」

また、物語の題材にもなっている歌舞伎に興味を持ち始めたきっかけの1つが、島田市の「帯まつり」だと言います。

(直木賞受賞 永井紗耶子さん)

「歌舞伎にひかれるきっかけになったのが、島田市の帯まつりのおはやしの音」「自分のルーツがある場所と、ゆかりのある作品が書けて良かった。ここまで応援して温かく見守ってくれたことに感謝」

一方、永井さんの出身地島田市にある書店です。開店時間には8冊あった「木挽町のあだ討ち」は、一時間後には残り一冊。その一冊も目の前で無くなりました。

(焼津谷島屋アピタ島田店 川口 真有美 店長)

「発表があってから、きょう完売してしまいました」

(本を買いに来た客)

「同郷の女性作家が受賞したというから読んでみたいなと思って買いに来たが、売り切れで残念。ないと思うと余計に読みたくなる」

こちらの書店では、永井さんのデビュー当時から応援をしてきました。そんなつながりで永井さんも来店して応援に応えてきました。

(焼津谷島屋アピタ島田店 川口 真有美 店長)

「実家が島田にあるということで、何度か来店いただいてサインもいただき、当時から応援している」

そして島田市の染谷市長も直木賞受賞を喜んだ一人です。

(島田市 染谷市長)

「昨夜はうれしくて眠れない夜をすごしました」「島田市にこんな素晴らしい人がいるんだということをアピールしたい」

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