実習漁獲のマグロ販売 茨城・海洋高生、水戸のスーパーで 自ら調理、試食声かけ

試食用のビンチョウマグロの刺し身を、来店者に提供する県立海洋高の生徒=水戸市河和田

茨城県立海洋高(ひたちなか市和田町)の海洋技術科3年生7人が25日、カスミフードスクエア水戸赤塚店(水戸市河和田1丁目)で、航海実習で漁獲したマグロやカジキの加工品などを販売した。生徒はマグロを自ら調理し、店頭で来店者に「海洋高で捕ったマグロの試食いかがですか」と呼びかけた。同校の生徒が、実習の漁獲物を茨城県内の店舗で販売するのは初めて。

魚の水揚げ、商品加工、販売までの一連の流れを県内で体験する同校の取り組みの一環。食品スーパーのカスミ(同県つくば市)、茨城水産(水戸市)などの協力によって実現した。

生徒は5月初旬から約1カ月間、実習船「鹿島丸」で航海実習を行い、太平洋沖でマグロなど約400キロを漁獲。6月下旬に、初めて県内港の茨城港大洗港区(大洗町)で水揚げした。

船員の作業帽と水色の法被を身に着けた生徒は、店内の鮮魚売り場で、ビンチョウマグロやメバチマグロの刺し身、サワラやマンボウの加熱調理用の切り身などを販売。売り場には同校の校章がしるされたのぼり、船上で実習に励む生徒らの写真なども設置された。生徒の一人、伊藤智紀さん(17)は「試食の声かけは緊張したが、おいしいと言われてうれしい。店頭での販売は難しいがやりがいがある」とほほ笑んだ。

マンボウの切り身などを購入した、市内の武藤清太郎さん(33)は「生徒たちが水揚げした魚を店頭で自ら販売する取り組みはとても魅力的」と感心していた。

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