海と森のつながり強調 茨城・水戸でNPO理事長・畠山氏講話 全国育樹祭向け

「森からの恵み」をテーマに熱く語った畠山重篤氏=水戸市三の丸の県立図書館

11月に茨城県で行われる全国育樹祭のプレイベント「グリーンフェスティバル2023」のシンポジウムが26日、同県水戸市三の丸の県立図書館で開かれた。NPO法人「森は海の恋人」(宮城県気仙沼市)の理事長、畠山重篤氏が「森からの恵み」をテーマに講話。各地域の森林組合や緑化担当の市町村職員ら約120人が熱心に聞き入った。県や県森林・林業協会などでつくる「グリーンフェス2023」実行委が主催した。

畠山氏は気仙沼市在住。カキ養殖業を営みながら30年以上、植樹活動を続けている。2012年に、国連森林フォーラム(UNFF)事務局から「フォレスト・ヒーローズ(森林の英雄)」として表彰された。

冒頭、畠山氏は本業のカキ養殖について触れ「1個のカキは、1日200リットルの海水とともに、植物プランクトンを食べている」と説明。良い植物プランクトンを育てるために、川や森林、農業環境と海との関わりを理解し、関係者が価値観を共有していく必要性があることを指摘した。

また、カツオを例に挙げ、餌になる小魚、小魚が食べる動物プランクトンや植物プランクトンが、それぞれつながっている「食物連鎖」について解説。植物プランクトンの成長を促進する「フルボ酸」は、森林の腐葉土から生まれるとし、「山がきれいになれば、海も良くなる」と強調した。

全国育樹祭は11月11日に茨城県潮来市で、12日に水戸市で開かれる。茨城県開催は34年ぶりとなる。

© 株式会社茨城新聞社