茨城・牛久栄進高の定員増 県教委来春 TXで人口増対応

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県つくば市などつくばエクスプレス(TX)沿線地域で人口が増加し、中学の卒業生が増えているため、県教委は来年度、県立牛久栄進高(牛久市)の定員を増やすとともに、県立筑波高(つくば市)に進学コースを新設すると26日、発表した。

森作宜民県教育長が定例記者会見で明らかにした。

牛久栄進高は、普通科を1学級(定員40人)増やして9学級360人に拡大する。つくば市のTXつくば駅からバスで約15分と近く、同市内からは自転車でも多くの生徒が通うなど利便性が高い。教室数に余裕があり、学級増に対応できると判断した。

筑波高は、現在の普通科3学級について、大学進学の1学級(同40人)のコースと、就職や専門学校などを希望する生徒向けの2学級(同80人)のコースに分割する。

県教委は、高校配置などを検討する際の目安とするエリアを12カ所に分けている。つくばエリアはTX沿線などのつくば、守谷、常総、つくばみらいの4市で構成する。県全体では中学卒業者は減少傾向だが、2030年3月までの7年間で同エリアでは500人以上増え、つくば市内だけでも400人近く増えると推計している。

同エリアの人口増に伴う中学卒業者の増加を巡り、近年、地元の市民団体などが学級数の拡大や進学校など県立高の新設を求めていた。県教委は「エリアを基本に、通学可能な範囲で進学先が確保できるよう努める」としていた。

森作教育長は会見で、今後の対応について「卒業者数の推移や志願状況を踏まえ、必要に応じて検討したい」と説明。市立の高校新設を巡っては「応援する」としつつ、県立高の新設については「周辺エリアは(中学卒業生が)減少見込みのため、原則として募集学級数の調整で対応する」と、従来通りの考えを改めて示した。

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