宝塚歌劇、花組が新人公演 104期生の天城れいん、103期の朝葉ことの初主演

宝塚花組「鴛鴦歌合戦」新人公演で初主演した天城れいん(右)と朝葉ことの=宝塚大劇場

 宝塚歌劇花組「鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)」新人公演が27日、宝塚市栄町1、宝塚大劇場で開かれた。6年目104期生の天城(あましろ)れいんと、1年先輩、103期の朝葉(あさのは)ことのがそれぞれ初主演を務め、はつらつとした演技を見せた。

■トップの柚香光から「楽しんでおいで」の言葉

 マキノ正博監督による1939年公開の時代劇映画の舞台化。ちょんまげの侍たちが軽やかに歌う、日本初のオペレッタ映画として歴史に名を遺す。天城は、映画では時代劇スターの片岡千恵蔵が担った素浪人、礼三郎を演じた。

 出演者全員が舞台に並び、「チョン」という拍子木の音を合図に「パ」っと照明がつく、「チョンパ」で幕開け。銀橋の主役2人をはじめ、出演者が勢ぞろいし、主題曲を歌って踊る。

 天城は「チョンパでのオープニングには緊張しましたが、お客さまの拍手、歓声が本当にうれしくて、このような経験をさせていただいたことに感謝します」と声を弾ませた。

 本役の花組トップ、柚香光(ゆずか・れい)からは「新人公演での初主演は、それだけで意味があること。とにかく楽しむことを目標にやっておいで」とアドバイスされたそう。

 初めて、客席に降りる場面もあり「お客さまがこんなに近くてどきどきしました。でもちょっとした反応や拍手が温かかった」と喜びをにじませた。

 相手役ヒロイン、お春を演じた朝葉は、舞台稽古で「ライトがまぶしくて立ちくらんでしまいました」と苦笑しながら、本番では「お客さまの拍手、歓声がうれしくて」。本役のトップ娘役、星風(ほしかぜ)まどかの「ことのの『お春』をやればいい」との言葉に、「肩の力が抜け、本番に臨めた」と振り返った。

 2人は「全員で作り上げた新人公演。東京に向け、精進したい」と決意を語った。

 東京宝塚劇場での新人公演は9月14日。(片岡達美)

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