鳥のフンに似た「日本七大珍種」の希少グモ、神戸の草むらに! 発見の会社員「二度と出合えないと思ってた」 兵庫

吉田智聡さんが見つけたカトウツケオグモ=神戸市須磨区

 神戸市須磨区の妙法寺近くの草むらで、珍しいクモが発見された。その名もカトウツケオグモ。「日本七大珍種」と呼ばれており、県版レッドリスト2017では、国の「準絶滅危惧」に相当するCランクに登録されている。

 外見がカニに似たカニグモ科の一種で、和名は最初の発見者である故・加藤正世氏にちなむ。本州や四国、九州の里山などに生息し、今回発見されたのは、体長約1センチのメス。鳥のフンに擬態して天敵から身を守るため、目を凝らさないと発見が難しい。

 葉の上で休んでいたクモを見つけたのは、同市須磨区の会社員、吉田智聡さん(47)。子どもの頃から生き物が好きで、今でも時間があれば近くの山林を歩いて昆虫やクモ、カエルなどを探しているという。

 吉田さんがこのクモに遭遇したのは2回目。数年前は存在を知らず見逃しており、後に希少種と聞いた。「二度と出合えないと思っていた。好奇心を持ち続けることの大切さを学べた」と喜んでいる。

 兵庫県立人と自然の博物館(三田市弥生が丘6)に寄贈する予定。同館の山崎健史主任研究員は「狙って集められる種類ではないので貴重。展示や研究に生かしたい」と話した。(小野坂海斗)

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