兵庫県豊岡市の中心市街地を貫く大開通り沿いに、古民家を改装した住宅型コンドミニアムホテル「ウィロー」が開業した。元老舗かばん店の住居部分と蔵を客室にリニューアル。全3室にキッチンと風呂などを個々に備え、自炊や外食をしながらの滞在を楽しんでもらう。関係者は「国内外を問わず、観光の拠点や大事な来客をもてなす場として活用してもらいたい」と話す。(阿部江利)
ホテルや商業施設の商品企画、再開発などに取り組む新興の広告代理店「サイクル」が運営する。同社の中原大輔代表取締役(43)は、長く中心市街地の活性化に関わってきた。
国内外から宿泊客を呼び込み、市街地の建築物や個人経営店の探訪、飲食店などをはしごする「バー・ホッピング」といった新たな人の流れをつくり、起業などを考える若い世代を後押ししたい狙いだ。夕食は提供せず、地元の飲食店を紹介する。
同社によると、新しいホテルは、柳行李(やなぎごうり)やかばんの製造販売を手がけ、1900年代初めに創業した「尾畑かばん店」の建物を活用。ホテル名や客室の呼称も柳行李にちなんで名付けた。
全3室の「スイート」「デラックス」「スーペリア」はそれぞれ入り口が独立しており、スイート、デラックスは築約75年の住居部分を改築した。それぞれ和風、洋風の居間や寝室を備える。スーペリアは築100年を超える蔵を改装。1階にキッチン、2階に本棚付きの寝室がある。
サイクルの社員、中尾貴洋さん(32)は「周辺には地元で愛される老舗や価格満足度の高い飲食店も多く、宿泊客に魅力を伝えていきたい」と話す。
利用はスイートが大人4人まで。ほかの2室は大人2人を推奨(最大3人)。2人1室3万3千~4万4千円で、3連泊以上は割引もある。予約はホームページから。