阪神甲子園球場「あと1年」で100周年 人文字でカウントダウン「歴史と伝統」に思いはせ

地元の親子ら約4千人でライトスタンドに浮かび上がらせた人文字=1日午前、西宮市の甲子園球場(撮影・吉田敦史)

 開場100年まで1年となった甲子園球場(兵庫県西宮市甲子園町)で1日、人文字によるカウントダウンイベントが催された。西宮市内の小中学生と保護者の計約4千人が参加。「こうしえん・あと1年で・100年へ」の文字を浮かび上がらせ、紡いできた歴史と伝統に思いをはせた。

 同球場は1924(大正13)年8月1日に開場。戦時中は空襲に遭い、戦後、米軍に接収された時期もあったが、プロ野球阪神タイガースの本拠地、高校球児たちの「聖地」として愛され続けている。同球場では支えてくれた人々への感謝を込め、昨年から100周年記念事業を展開。高校生によるブラスバンドコンサートなどを開いてきた。

 人文字は、99年前の開場当日に児童約2500人が集った「阪神間学童体育大会」にちなんで実施され、参加者らは太鼓の音に合わせて深緑と金のボードをひっくり返した。阪神OBの福留孝介さん(46)もスペシャルゲストとして登場し、初代スコアボードの書体を再現したカウントダウンボードを披露した。

 息子(11)、娘(8)と参加した女性(49)は「選手が全力で戦ってきた歴史ある場所で、とても力をもらえる存在。節目に立ち会えて幸せです」とほほ笑んだ。 (浮田志保)

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