幻の花、53年目に開花 宇都宮・刈屋さん方のアガベ

長い茎の先に花を咲かせるアガベの花

 テキーラの原料で数十年に1度だけ咲く多肉植物「アガベ」が栃木県宇都宮市戸祭3丁目、接骨院経営刈屋翼(かりやつばさ)さん(37)方で開花している。鉢植えに高さ約2.5メートルの茎が伸び、先端約30センチに小さな黄色い花が数多く咲いている。

 中南米や米国南部の乾燥地帯に自生するリュウゼツラン科の植物。花を咲かせた後枯れるため「幻の花」といわれる。

 このアガベは1970年から育てられ、刈屋さんは所有者の知人から4年前に譲り受けた。今年5月上旬に株から茎が出て、急成長。7月24日に開花し、1日には満開となった。刈屋さんは「ぐんぐん伸びる姿に53年分の生命力を感じた。大切にしていたので枯れてしまうのは寂しい」と、悲喜こもごもの面持ちで花を見守っていた。

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