町内唯一のコンビニ、詐欺被害から「守る目」に 21年から7回阻止 兵庫・福崎署が店員に感謝状

普段からの心がけで詐欺被害を防いだ河野美希さん=福崎署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして兵庫県警福崎署は、ローソン市川町西川辺店(同町西川辺)店員の河野美希さん(42)に署長感謝状を贈った。同店は町内唯一のコンビニで、詐欺被害を食い止めたのは2021年からだけでも7回目。店員間で心がけている「見守る目」が役立っている。

■共有しているキーワード

 7月初旬、河野さんは同店を訪れた70代の女性から電子マネーカードはどこで買えるのかと尋ねられた。

 一度場所を案内したが、「お年寄り」「高額の電子マネーカード」など、普段から詐欺の恐れがあるとして店で共有しているキーワードを思い出し、何に使うつもりかを確認した。初めは家の事情と濁したが、再度聞くと、パソコンの画面に「修理が必要」と表示され、記載の番号に電話すると3万円分の購入を指示されたという。

 「それは詐欺やで」。同店では今年1月にも被害を阻止しており、注意をすることにためらいはなかった。うろたえる女性を説得し、110番したという。河野さんは「怪しいという直感で動けてよかった」と笑顔を見せる。

 同署によると、神崎郡内では今年5月に1件、約79万円の被害が発生。竹迫博樹署長は「積極的な協力が心強い」と感謝を述べた。(喜田美咲)

© 株式会社神戸新聞社