にぎわいも笑顔も4年分 宮まつり、会場周辺は人の波

大通りに詰めかけた大勢の来場者=5日午後5時25分、宇都宮市馬場通り3丁目

 夏の県都最大の祭りがよみがえった。宇都宮市中心部で5日、4年ぶりに開幕した「ふるさと宮まつり」。「やっと人が戻ってきた」「みんなが4年分、楽しんでいる」。関係者は久しぶりの人出と熱気に声を弾ませた。新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)され、昨年は開催3日前に中止を決めざるを得なかった。喜びはひとしおだ。

 オリオン通りの居酒屋「まげしとちぎや」(同市曲師町)には客がひっきりなしに訪れ、スタッフは一心不乱に対応に当たった。

 スタッフの高橋正彦(たかはしまさひこ)さん(34)は「外はとてもにぎやかで店も忙しい。やっと人が戻ってきてうれしいの一言。コロナ禍はとても厳しかったので、この状態がずっと続いてほしい」と、手を休めず、汗をかきながら調理を続けた。

 大通りのパレードに加わった大寛町共和会。そろいの法被に身を包んだ約100人が太鼓を鳴らし、みこしを担いで、堂々と練り歩いた。同会の牛久恵一(うしくけいいち)副会長(50)は「年1回、みんなと触れ合えるのがいい。しかも、こんな大観衆の中でみこしを担げるのは最高じゃないですか」と、久しぶりに宮まつりの醍醐味(だいごみ)を実感していた。

 オリオン通り曲師町商業協同組合の長谷川正(はせがわまさ)理事長(76)は「今年は出足が早く、いつも以上のにぎわい。みんなが笑顔で、4年分楽しんでいるのかな」と感慨深そうに話す。

 新型コロナの感染者数は今、増加傾向にある。「多くの人がワクチンを打ち、持病のある人はマスクなどで自衛している。今はコロナに対する知識がある」と冷静に受け止め、祭りが無事に完遂することを願った。

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