航空機ブレード、材料から自社製造へ 足利のエアロエッジ 一貫生産、安定供給目指す

決算内容や成長戦略について説明する森西社長=23日午後、東京都内

 航空機エンジン部品製造のAeroEdge(エアロエッジ、足利市寺岡町、森西淳(もりにしじゅん)社長)は23日、東京都内で2023年6月期の決算説明会を開いた。成長戦略として、航空機エンジンに搭載する主力製品のチタンアルミブレードを材料から一貫して生産できる体制づくりや、ブレードの補修技術の確立を目指すことを明らかにした。

 同社はフランスの航空機エンジン製造サフラン社と契約し、チタンアルミブレードを製造している。このエンジンは、米ボーイング社や欧州エアバス社の旅客機に採用されている。

 ブレードの材料はチタンとアルミを主成分とする金属間化合物で、現在はサフラン社から無償で材料の提供を受け加工している。ただ、ロシアのウクライナ侵攻など、国際情勢に伴い供給が遅れるといった影響を受けるという。

 リスク対策として、材料の開発を進めている。自社で材料から製造することで、製品の安定供給を図る。加工に適した形状で製造することも可能となり、コスト削減も期待できるという。森西社長は「現在は開発の中間段階。1、2年かけて量産化を進めていく」と説明した。

 一方、チタンアルミブレードは材料の加工自体が困難なため、現在、エンジンの補修時はブレードそのものを交換している。業界では、部品の交換ではなく、補修ニーズがあることから、エアロエッジは材料を重ねて部品などを作り出す「積層造形」という3Dプリンティングを生かし、補修技術の確立を目指す。

 森西社長は「補修技術が確立されれば、別のエンジンでも応用できる可能性がある」と強調した。

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