福井県の越前市が誇る和紙や打刃物、箪笥(たんす)をはじめとする工芸の魅力を体感できるクラフトマーケット「千年未来工藝祭2023」は8月26日、越前市武生中央公園で開幕した。光と音で演出された幻想的な空間で、さまざまな手仕事の逸品がブースに並び、来場者が職人や作家との交流を楽しんだ。8月27日まで。
市と市内の若手職人らによる実行委員会が主催。県内外から過去最多となる約160事業者が出展した。市アイシンスポーツアリーナでは、夜市をイメージした非日常空間を演出。伝統工芸や雑貨、ファッション、アート、アクセサリーの作家が全国から集い、自慢の作品を並べた。照明に照らされたブースで、訪れる人たちに込められた技術や創作の思いを伝えた。
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越前市の女性(58)は「おしゃれな空間から古いものと新しいものの融合を感じた。作家さんと話して作品への熱意と誇りが伝わってきた」と心を打たれた様子だった。
市内3産地の若手職人10人は、自らのアイデアで製作したチャレンジ作品を発表。越前箪笥の端材を使った木工指輪、越前和紙製のパソコンケースなどをそれぞれ披露し、今後の開発や販売の参考にしようと来場者の意見に耳を傾けた。
越前打刃物職人の戸谷祐次実行委員長(47)は「職人も使い手の反応を直接感じることで成長につながる。未来につながる変化を大事にしながら、工芸を次の世代に引き継いでいきたい」と話していた。
紙すきや絵付けを体験できるワークショップも開催。多目的グラウンドにはクラフトビールのブースやキッチンカーが出店し、親子連れらでにぎわった。